STRUM | 東京を拠点とする革ジャンが中心のメンズブランド

ストラムの革ジャンに込めた想い

ストラムの革ジャンに込めた想い

「汚れが味となり、傷が経験となる。それがレザーの魅力だと思います。 」

桑原和生インタビュー | 雑誌『LOADED』 Vol.28より

 

13-14の秋冬のデビュー以来、革ジャンを中心としたラインナップで多くのファンを魅了し続けるブランド、ストラム。兼ねてから音楽や映画に造詣が深いデザイナーの桑原和生氏によって生み出されるアイテムは、そのどれもが音や映像を感じさせ、一度袖に手を通せば、着る者の世界観を上手に引き出してくれる。ここでは、そんなストラムの新作レザー「バーニングダイ」について、話を伺ってみた。

 

「新作『バーニングダイ』は、今回、初めて試みた加工で、革を下地のまま製品にして、燃やしながら製品染めをしていくという特殊な技法です。着色時の染料に高濃度のアルコールを混ぜ、染色後に着火させ頃合いを見て、すぐに火を消します。そして、その作業によってできた焦げ痕や煤を革ジャンに定着させていきます。ただ燃やすだけでは、革は死に硬化して、着れる状態ではなくなってしまうため、職人さんと何度も試行錯誤した後、ようやく実現しました」

 長年着込んで経年変化を楽しむ、またはシボ感やシワ感の素材感に魅了される。そして様々な加工によって表現されたワイルド感に心奪われるなど、革ジャンの魅力は、実に千差万別。しかし革ジャンの特徴は、そのどれもが着る人のライフスタイルやマインドに反映され、サイズや形、表情を変えていくところかもしれない。汚れが味となり、傷が経験となる。

 

「昔からパンクロックが好きで、アーティストが楽器やアンプを壊したり、燃やしたりしている姿からインスパイアされ、今回の革ジャンを燃やすという加工に辿り着きました。それから燃やすという行為は、人生において様々な意味を持ちます。熱くエキサイティングするという意味の燃えるだったり、燃えつきてなくなるといったような意味もあったり。死んで、燃やして、また生まれかわるといった意味もあります。革ジャンの存在感は人生とよく似ていて、生きていくことで様々な経験をし成長する、やがてその人の深みや厚みが出てきて味となります。その味こそが魅力なんじゃないかなと思っています」

 

 多くのファッションアイテムの中でも革ジャンやデニムは、汚れや傷がいい味としてクールなものとして捉えられることが多い。ストラムの『バーニングダイ』は、火がついて燃えたという究極の体験を、革ジャンにさせたということになる。つまり初めて着た日から、経験を積んだ頼もしいパートナーになってくれるということになる。

「よくお客さんや友人から、僕が普段着ている革ジャンを見て『その革ジャンがいい! 欲しい! 』って言われる事があるのですが、でもそれは僕が5年間ずっと着続けることによって育った革ジャンなんです。革製品は、素材としては元々生き物だったモノですが、鞣されて染色され、加工された状態でも、きっとまだ生きているんですよ。例えば、着る人の汗やシミはもちろん。こぼした酒の汚れやバイクで転倒した時の傷でさえ、いい味となり経験となりその人の革ジャンに刻まれるもの。それが育っていき、結果カッコよく見えたりするものかと思います」

 

 きっかけは、パンクロックのアーティストが着ていたライダース。それがとてもカッコよく見えたこと。やがて、彼らの作品やパフォーマンスにどっぷりと浸かるうちに、メッセージの意味を知り、生き方を学んだ。自身もレザーデザイナーとして独立し、パンクロックとレザーの親和性を探求することで、単なる服作りではなく、服を通して人生そのものを表現してみたくなったという。「レザーを作り続けることで、生きた証を残したい」と語る桑原氏。今後の動向について伺うと。

 

「毎回、理想形を作っているんですけどね。すぐに次のものを作りたいと思ってしまいます。常にもっとレザーを知りたい、レザーを極めたいと思っています。レザーといえば『ストラム』と言われるように。僕にとって、レザーは人生の大事なパートナーであり分身みたいなもの。想いを込めたレザーによるモノ作りを通して、『桑原和生』という爪痕を残していきたいと思っています」

 

 

雑誌『LOADED』 Vol.28より抜粋

 


 

ストラム/デザイナー
桑原和生

1971年生まれ、大阪府出身。長年映像や音楽に携わり、2013-14 A/Wよりレザーを中心としたプロダクトを展開するブランド「ストラム」をスタート。音を感じるモノ作りをモットーとしたエッジの効いたデザインはもとより、革の鞣し、染色、加工まで手を掛け、丁寧な手作業による完成度の高さにも定評がある。

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